教室レポート(60)        2009



山口教室 4月19日(日)  


4月19日(日)、大本山口本苑春季大祭に併せ、本苑からも8人が参加する5月の台湾旅行を前に

霊界物語28巻を勉強した。


【出口直子様ご挨拶】午前中の大祭後、出口直子様から「35万年前の厳瑞二神のご神約に基き、

開祖と聖師がお出会いになられたが、聖師ご昇天後、大本破壊を企てる八十八派の兇徒界の妖霊

が入り込み本当の信仰が曇らされ、第3次事件も長引いている。素直に霊界物語を拝読し厳瑞二神

の大御心を悟らさせていただき、ともどもご神業に参加させてもらいたい」とのご挨拶があった。


【台湾は南米の胞衣】午後の勉強は、まず出口孝樹講師から、「台湾は南米の胞衣、国祖ご竜体の

折の宝冠に当たり、国祖のご分霊が秘められている。聖師は昭和2年から10年まで4度巡教された」

などの説明があった。

 続いて、直子様にもお願いして三人で、序歌と総説歌、また、第1章カールス王、第3章玉藻山、

第6章麻の紊(みだ)れ、第10章縺(もつ)れ髪、第18章天下泰平の各章の一部を拝読し、これに出口

講師が説明を加えられた。


【大本事件】28巻では、祖を花森彦命とする王家の内紛、政治的混乱と、この王家の実権を握った

家臣による代々真道彦の名を継ぐ三五の教えの家への侵略、宗教弾圧が展開されている。

第1次事件は、元老山県有朋の命令によることが、52巻第24章応対盗で示されているが、この28巻

は第2次事件の予言だと言われている。第2次事件では、大審院判決書で聖師の十二段返ノ宣伝歌

が不敬不逞極マル(毎日新聞社発行、早瀬圭一著「大本襲撃」P361)とされているが、聖師は、王

家家臣サアルボースは元老西園寺公望だと言われ(新月の光上P125)、また、真道彦命が「いかな

る事情ありとも、吾は政教両面の主権者となり、王者の位地に進むべき者にあらず」(第18章天下

泰平)と否定している政治的野心への当局の疑念が、第2次事件の原因ではなかったかと連想できる。


【神界の経綸】国魂神竜世姫命から「真道彦命、この度の遭難なくば、たうてい三五教の救世主と

しての任務を全うすること能(あた)はず」(第10章縺れ髪)とあり、また、第2次事件の始期と終期

が「型の大本」として太平洋戦争と一致することなどから、救世のご経綸は、事件・弾圧の試練が

前提となって進められていることがわかる。

第3次事件についても、竜世姫命の「すべて神界の経綸に出でさせ玉ふものなれば、必ず案じ煩(わ

づら)ふなかれ」(第10章縺れ髪)の言葉に従い、乗り切っていきたいものである。

                                            藤井記

             


金沢・富山教室 4月30日(木)  


 金沢教室 午後1時より 11巻

 富山教室 午後7時より 11巻

4月の最終日、明日からは5月のGWが始り、お忙しい中を、出口孝樹先生におこし願い行なわれ

ました。

第11巻第3章~7章までを勉強。

第1章で高彦と時公の会話の中に、時公が『・・・貴様は大方蛇掴みの兄弟分だろう。今は一体何

といふ名だ』と聞くと『我は東彦と申す者』と答え、そこからは東彦と時公の会話に変わってしま

い,次に高彦が出てくるのは4章からです。私も読みながら高彦はどうしたのだろうと不思議に思

いながら読んでいました。先生は此の突然の変化に対して昔から諸先輩方はいろんな説を述べてい

る。

①聖師は高彦と言うべきところを東彦と言ってしまった。・・・間違い説

②高彦に東彦の言葉を語らせている。即ち開祖に国常立命が懸かって言っているようなもの・・・

憑依説 など諸説があり、第4章のお終りに時公が『ナーンだ。全然(まるで)お紋狐に魅(つま)

まれた様だ』といってをり,まさにつままれたような感じの話であるとのお話しがありました。


5章では宣伝歌の中にある 

・・・・我言霊の神力に     敵するものはあらざらめ   敵は千里の外でない

心の中に知らぬ間に   潜むやつこそ我敵ぞ     ・・・・・

の御歌から 聖師は心の中の敵について重要視しておられ、いろんな所で書いておられる。霊界物語

も開祖の御筆先も共に、人々に改心を求めている。人には心を改める改心を、世の中に対しては「建

替え建直し」を迫っている。悪い神に名がついて大蛇や悪弧、邪気として登場するので自分の外にい

る敵として捉え、外の敵に目を奪われがちだが、本来は大蛇=執着心、悪弧=虚栄心、邪気=名利心

であり己の心の中にあるんだぞ、自分の問題だぞと引き戻されます。

また聖師がいう大和魂は本文の注(301ページ)にあるように「日本魂は平和・自由・独立・人権を

やぶる者にむかってあくまでも戦う精神なり無理非道なる強き悪魔をたおして弱き者の権利をまもる

精神なり」とあり明治37年に発表されていることが素晴らしいことである。等のお話がありました。


高彦と時公の問題で、後日報告書を書くにあたり家に帰ってもう一度丹念に読み返してみると次の事

が判りました。

先ず霊界物語は神様が口述された物である事、従って,筆録者が間違えない限り内容に間違いは生じ

ない。また、聖師が校正をされている事を前提として考えます。

さて、

◆第1章の情景は暗闇の中での会話です。時公は、周囲に高彦一人しかいないと思っています(読者

である私もそうだが)。「今は一体何といふ名だ」と問われて,既に時公と面識のある東彦が会話を

ひきとって「我は東彦と申す者」と言って,その後を引き取ります。

そして、以降高彦は姿を隠し、東彦と時公の旅が4章まで続きます。

第1篇(第1章から7章)の登場人物。

     時公と会話のある神(登場人物)     
1 高彦  東彦  時公 高彦から突然東彦に代わる
2     東彦  時公 東彦が石凝姥かどうか疑っている
3     東彦  時公 東彦が石凝姥であることを確信。東彦は死生観を述べる
4 高彦  東彦  時公  梅ヶ香姫   鉄彦 すべて解決
5 高彦  東彦  時公  梅ヶ香姫   鉄彦 旅に出た理由を述べる
6 高彦  東彦  時公  梅ヶ香姫  三女神 原野を開墾しクスの都とする
7 高彦  東彦  梅ヶ香姫  三女神(月雪花) 明志の湖方面へ向け出発

ここで東彦と石凝姥の神は同一人物です(十巻では石凝姥の神として出てきます)。時公は石凝姥の

神とは既に面識がありますが、東彦と名乗るので別人と思っています。

◆2章では東彦が自分の知っている石凝姥の神なのか化物が化けているのかを疑っています。

◆3章の冒頭で「冴え渡る音楽の声、馥郁たる花の香りに包まれて」・・・で初めて本物と判りま

す。しかし、

◆第4章の 東彦『・・・。併し乍ら此高彦さまが御座る間は大丈夫だ。マア安心せい』

 時公『あなた、矢張化物だな。悪魔彦だとか云つて居つたと思へば又鷲は鷹だとか、鳶だとか、鳥

とめもない事を言ふ人だ』  高彦『マアどうでもよい。・・・』と続きます。見ようによっては東

彦に高彦が乗り移ったようにも見えますが。状況から考えてクス野ヶ原という草むらに横たわってい

る状況下での会話であり、東彦が「ここに高彦さまが御座る」と言ったので、隠れていた高彦が再度

現れたのです。

洒落っ気の多い時公は「鷲(わし)は鷹(高)だとか、鳶だとか」と洒落たのでしょう。

そこに梅ヶ香姫が現れ、時公をからかいます。居るはずのない梅ヶ香姫が現れるので、ここでも本気

にしません。しかし最後に主人の鉄彦と石凝姥の神(東彦)が現れ 高彦『ヤア、貴方は石凝姥の神様、

珍しい処でお目に掛りました』と初めて会ったように言うので安心して、時公『ナーンだ。全然(ま

るで)お紋狐に魅まれた様だ』と洒落たのではないでしょうか。

◆ここで考えられる事は此の1~4章までは時公を中心として,その立場から見たように書かれてい

ます。即ち、時公の目を通して物語は進められているのです。

10巻では石凝姥、梅ヶ香姫、鉄彦の三神司が一緒に旅に出ます。11巻では最初に高彦が登場し、

突如東彦が出てきます。ここがこの話の面白いところで、4章の初めまでは石凝姥の神に似た東彦と

の会話が続きます。

また、高彦は東彦、梅ヶ香姫、鉄彦等と最初から行動を共にしていたのでしょう。第1章では 高彦

『ヤア、時さまとやら、我々は化物ではありませぬ』と「我々」と一人でない事を暗示しています。

また、夜であり、その後も草深いクス野ヶ原であり,身を隠すには何の問題もありません。それを暗

示するのが、4章まで、行動を共にしていても会話は全て時公に関係する神以外は隠されています。

4章では会話は東彦から高彦にバトンタッチされ、すぐに女(梅ヶ香姫)にバトンタッチされます。

高彦は只、笑っているだけです。そして、最初から時公をからかってやろうとの魂胆が時公以外の神

司には暗黙のうちに有ったように思います。

そこに霊界物語特有の洒落と言おうか滑稽というべきか、この話の不思議さ,面白さがあるように思

います。

参考 東雲別→東彦→石凝姥の神。 青雲別→高彦→天児屋根の神 と名が変わる。

                                                      阿良田記

次回

金沢教室  6月4日(木) 午後 1時より  11巻

富山教室  6月4日(木) 午後 7時より  11巻