津久見教室では最初、瑞之神歌を資料として予言について学ぶ。
大正六年に出され発禁本となったが、昭和16年12月8日の日米開戦又、
その後の日本の苦難を的確に予言されていて今更唯々驚嘆するのみである。
今回は第3巻10篇 神政の破壊より。八王大神常世彦、常世姫は配下の
邪神を使いながら世界12の地に納められた12の国魂を奪うために八王、
八頭をたくみに取り込む作戦にでる。ある時は飴を、又ある時は圧力をかけ
たくみに憑依しながら身魂を曇らせていく。万寿山と天山の八王を除いて
十柱までが配下に落ちる。十王十頭をひきつれて国祖国常立尊の支柱なる
素盞鳴尊の四魂である天使長大八洲彦命、言霊別命、神国別命、大足彦の
四柱を追い落す戦略に移す。
第43章 配所の月
常世彦は黄金橋を襲いエルサレムに進撃する。大八洲彦命は進退極まり、
真澄の鏡を使おうとするが国祖は神勅を下し”暴にむくゆるに暴をもって
対抗することは律法を破るものであり至誠一貫もって極悪無道の人物を悔い
改めしめるべし。万物を愛し敵を憎まず、彼らの為すがままに放任せよ”と
厳命する。
しかし大八洲彦命は邪神の猛攻撃を受けて、ついに国祖の禁を破り破軍の
剣を抜く。邪神はいったんは潰滅するが、八王大神常世彦はこのことを楯に
とり国祖に対して大八洲彦命の天則違反を糾弾する。国祖は自ら定めた天則
を破ったことで、ついに大八洲彦命たち四天使を追放する。
第44章 可賀天下
国祖は大八洲彦命以下の天使を追放したことにより、新たに天使長として
金勝要命の四魂の女神を天使長として任命される。当初聖地エルサレムの神政
は平穏に治まる。しかしこれは前天使長大八洲彦命等の霊徳と須佐之男大神の
ご守護の賜であったが、そのことを覚らず、自らの力と誤認する。聖地はしだ
いに乱れてゆき、このすきをねらって常世彦は再び聖地を襲う。高照姫はこの
襲撃を防ぐこと一年。国祖は神勅を下し”天地の律法を厳守し決して暴力を
もって戦うべからず。大慈大悲の親心をもって言向け和し善一筋の大道に教え
導くべし”と。
まさしくこれは個人もさることながら、日本が国是とすべき神勅である。
しかるに高照姫は国祖の神勅を無視して破軍の剣を使う。一端敵は逃げるが、
その後暴風雨が吹き荒れる。高照姫は天則違反の罪を赦するが効果なく、つい
にエデンの園にちっ居を命ぜられる。このようにして国祖の神政を支える神々
は序々に邪神の陰謀により蔭にかくろい、国祖の神政は蟹の手足をもがれるよう
におとろえてゆく。
善通寺教室は第1巻から始まった。序、発端を終えて第18章 霊界の情勢から
第23章 黄金の大橋まで進んだ。
序の日付けは大正十年十月二十日午後一時と記されている。物語の口述開始日
は大正十年十月十八日であるが、2日後の記述が序となっている。これはこの日
に第一次大本事件によって官憲の手によって当時の神殿が破壊された日時である。
破壊される物音を聴き乍ら、物語のご口述を進められたことは聖師の不退転のご
決意とご使命の重大性を感ぜざるを得ない。第1巻は高熊山のご修行ならびに霊界
探検の様子が示されているが、ここは各自拝読をしていただくことになった。
発端は物語発刊時、当時は幹部(浅野和三郎氏等)の激しい反対があり、記述が
改変されている箇所が随分ある。しかし聖師はかねてより予想し、物語発刊前に
神霊界誌上にすでに発表されている。したがって、この発端の部分の正しい文章
は神霊界誌を読まねばならない。しかも改変されている文章の中に重要な箇所が
ある。いづれ発端は両方(改善前と後)を併記しておく必要がでてくると思われる。
第18章 霊界の情勢では聖師が高熊山修行により神幽顕三界の状態を明瞭に覚
られたことが示されている。国祖神のご退隠、そして盤古大神の神政への移行、
そして神界幽界、顕界の混乱の様子が記されている。
印度には金毛九尾、ユダヤには六面八臂、そしてロシアからは八岐大蛇の邪神
が発生する。
この三種の邪神が諸国の国魂の神に憑依しながら世界を乱してゆく。天祖は再び
国祖を地上神界の主宰神に後権させられる。これが大本開教となる。国祖ご隠退時
の主宰神の盤古大神の配下の常世彦らは自らが頭目となって世界を意のままにしよ
うと、まず高天原を乗取りにかかる。
第一巻は実に中味が濃く、神・幽・顕三界のさまを簡略的に記されている。この
大筋を次第に解きほぐすように物語は構成されているようである。
一二三四五の巻の物語 しずごころなく読むぞうたてき
の余白歌に示されているように、1巻~5巻まではしっかりと拝読をすすめ、魂の
基礎を固めていくことにより、はじめて物語の真意がしだいに浸み込んでいくので
あろう。
大阪教室では第2巻 第6篇までを終了した。
常世彦等は地の高天原および竜宮城を占領するに先立ち、シオン山とシナイ山を
乗取ろうと攻める。しかし十六神将の固い守りでなかなか奪うことができない。
それに先だち盤古大神を奉ずる邪神は世界の主要なる地を占領しようと画策する。
常世姫は竜宮城を支配しようとして母神である稚桜姫を取り込み言霊別(聖師の
神霊)を排除しようと種々の策謀をもって追放を試るが、言霊別には神霊の加護と
言霊姫の内助の功あって守護されていた。
常世彦、常世姫夫婦は言霊別の力を削るべく南高山、高白山、長高山の支配を
言葉巧みに行いつつあった。
話は変って、黄金水よりでたる12の玉のうちの1個、赤玉を持っていた鶴若は
竹熊の奸策に陥り、奪われたのを悔んで鶴と化って啼いている。太白星の精霊生代
姫は鶴若に同情して、新たに12の玉を授けた。種々の経過を通して、ついに竜宮城
の天使長大八洲彦命に奉納することを得た。大八洲彦命はこの玉を神国守護の御玉
とせんとシオン山に立派な宮殿を造営して、これを安置した。美山彦、国照姫の邪神
はシオンの霊山を奪い、かつ12の宝玉を奪い取り竜宮城および地の高天原を占領
せんとして正神界と邪神界の攻防戦が始まる。
常世姫一派の奸策は巧みで、言霊別のみならず国祖の神示の伝達者である稚桜姫に
も魔の手はのびてゆく。唐子姫を使い、まず言霊別の頼りとする天使花森彦を陥落さ
せる。次に唐子姫の魅力に敗れ檀山に逃れた花森彦を向えるために出向いた稚桜姫の
夫神天稚彦は唐子姫に心奪われミイラ取りがミイラになる。
次回は7篇より、いよいよ国祖と天道別命により天地の律法が制定される。
赤坂教室もちょうど一年となった。
「 和知川の 水浅みつつ 鮎あさる 」 瑞月 昭和十年六月十三日
物語の中で神名に「別」が付く人がたくさん出てくるが、辞書では古代、洲
それぞれの所をまかされて治める人の名前とある。なにか意味があることなので
はないか。 田中茶能介氏談
瑞能神歌 ・・・ 大正6年に出されたが発禁となった太平洋戦争の予言歌
第三巻 第十七章 岩窟の修業
第十八章 神霊の遷座
第十九章 楠の根元
第二十章 晴天白日
第四二章 常世会議
第四三章 配所の月
第四四章 可賀天下
第四五章 猿猴と渋柿
第四三章及び四四章では邪神の攻撃に対して、国祖の神勅に反して天使長大八洲彦
命以下の天使神将も、高照姫等四柱も強硬なる態度を持して言霊姫も破軍の剣を抜放
ってしまう。この時の国祖の神勅は「・・・何事も天命の然らしむるところにして、
惟神の摂理なり、ただただ汝らは、天使たるの聖職に省みて広く万物を愛し、敵を憎
まず、彼らの為すがままに放任せよ」や「天地の律法を遵法し決して暴力をもって戦
うべからず。大慈大悲の親心をもって敵を言向和はせ、善一つの大道に教え導くべし」
だった。
これを今の世に当てはめて、この神勅を守るようにするにはどうしたら良いのかと思う
と、感慨深いものがある。
次回は7月16日(日)、第四巻
桜井道彦記