教室レポート(22)        2006

矢上教室 3月22日(水)

 大畑家の大屋根から落ちて、うず高く積もっていた雪もとけて遅れていた春が訪れたような日和。

今回は第15巻第2篇の古事記言霊解からはじまる。


 第11章 大蛇退治の段。「故、退(やら)はれて出雲の肥河上なる鳥髪の地に降りましき」の解説。

鳥髪の地とは十の神の顕現地ということにして、厳の御魂、瑞御魂が経と緯との神業に従事し天地

を修斎したまう神聖の経綸地ということ。と示されている。つまり綾の聖地を示している。明治三十一

年秋八月(高熊山修行の後)素盞鳴尊の神代として神世開祖の出現地に参上されて神の経綸地と

感知される。「老夫と老女と二人在りて童女(おとめ)を中に置きて泣くなり」とあるは、老夫(おきな)と

老女(おみな)は艮金神と出口直教祖が一つに合体して神業に従事されることを意味し、オトメは男と

女という意義で世界人類のことであると示される。即ち、世界人民の身魂が邪神に汚され亡ぼされよ

うとするが、手のほどこしようがなく血を吐く思いで心配されていること。そこに素盞鳴尊が出現され、

その救済にのりだされる。変性男子の身魂は男と女すなわち人類救済の任を瑞の御魂なる素盞鳴

尊にご一任になる。尊は邪神の根源である八岐大蛇を退治にかかられる。変性男子は尊のまにまに

芳醸なる八塩折の神酒を醸造される。そこに酒の香に八岐大蛇の霊に憑依された悪神たちは群が

り飲んでしまう。尊は十握の剣を抜いて退治される。剣は”遠津神の勅定(つるぎ)”であり、退治する

ということは勅定を奉戴して破邪顕正の本能を発揮されたということと示されている。

 また退治された大蛇の尾から都牟刈之太刀(つむがりのたち)が顕れ、この剣を草薙の太刀と言う

と教示される。

 中の尾というのは葦原の中津国即ち日本の下層社会の臣民であり、予想外の立派な救世主が隠れ

ていたことを示す。この太刀こそ三千世界の大救世主であり、伊都能売の身魂である。邪悪のシンボル

である八岐大蛇の尾から救世主が出現されるということは矛盾のようであるが、大蛇の邪霊によって

暗黒の世になり天祖が地に下って救世の神業に着手されたと解すべきであろう。

 神人和楽の聖代なる神世は主神は隠身であり、もの言わぬ存在であったし、地上に降下される必要

はなかった。八岐大蛇が暴れ狂い、万民の身魂を絶滅せしめつつある今日、はじめて真徳の大神人

が都牟刈の太刀として顕現されたのである。即ち王仁三郎聖師のご出現がこのことを示している。

 勉強会は第12章 一人旅まで進んで終了した。



               
赤坂教室 3月25日(土)

 外では桜の花が咲き始め、暖かい日和となった。7回目の勉強会。

            初雷を 交りて花の あらし山            聖師

 ここでの花とは桜のこと。雷は夏の季語であるが、「初雷を」は晩春となり、この言葉を使って俳句を詠める人は

殆どいない。雷ははたた神、厳つ霊(いかつち)とも言い神に関係している。

                                                       田中茶之介氏談

 第三巻
      序文                総説
      第一章  神々の任命     第二章  八王神の守護
      第三章  渓間の悲劇     第四章  鶴の首
      第五章  不審の使神     第六章  籠の鳥
      第十五章 神世の移写     第十六章 玉ノ井の宮

 第五篇の万寿山のところは、第三巻のなかで重要なところと言われる。万寿山は丹波でいえば、亀岡に相当し、

綾部に次ぐ聖場であるが、物語が書かれた時には亀岡の聖地はまだできてはいなかった。霊鷲山は釈迦が悟りを

開いた所で、聖師が修行した高熊山を意味する。

 万寿山は霊鷲山の神霊三ッ葉彦命の神徳の功があった。霊鷲山の山下に坤金神豊国姫の安居所となる玉ノ井

の宮を造営する。三ッ葉彦命はオリオン星座の三ッ星の精魂の幸はひによりて地上に降るが、三ッ星の霊とは東雲別

命、白雲別命、青雲別命のこと。東雲別命は北光の神、天の目箇一神で三種の神器の内の剣をうつ。白雲別命

は石凝姥神で、三種の神器の内の鏡をうつ。青雲別は天児屋根命で祭祀の祝詞をつかさどる。

また三ッ葉彦命は太玉命のことで祓いをつかさどる。


 2ヶ月に1回の勉強会であるが、また物語についての感慨を新たにする1日となった。

      

                   次回は5月13日(土)                    桜井道彦記


青梅教室 3月27日(月)

 第三巻(寅の巻) 第五篇 万寿山から。

 第十五章 神世の移写

 万寿山には磐樟彦が定められる。天地の律法は完全におこなはれ、至治太平の神世は樹立されていた。

地の高天原に次ぐ聖場となった。万寿山の神殿は月宮殿と称えられた。この瑞祥は霊鷲山の神霊三ッ葉彦

命神徳によるものであった。霊鷲山をもって第二の高天原と崇め、三ッ葉彦命のの神跡慕ひて神人修行の

聖場と定め、美しき神殿を山下の玉の井の邑に造営し、坤金神豊国姫命の安住所となした。地の高天原と相

まって神界経綸の大聖場となった。

 玉の井の宮は真道姫が大神に仕え、ついに三ッ星の神霊に感じて三ッ葉彦を生み、地の高天原の国治立命

に献じた。三ッ葉彦命は天の三ッ星の精魂の幸はいによりて地上に降り、真道姫の体に宿って玉の井の邑に

現れる。玉の井の邑には清らかな湖水があった。玉ノ井の湖である。大自在天の一派はこの湖を占領しようとし、

三ッ葉彦命と争ったが、目的は達することができなかった。

 第17章 岩窟の修行

 万寿山は神界経綸上もっとも重要な地点である。これを主管する八王神は他の天使八王神に比してもっとも

神徳勝れ、神界、幽界の大勢を弁知し大神の神慮を洞察せざるべからざると、八王神なる磐樟彦は霊鷲山の岩窟

で百日百夜の霊的修行をはげみ、ついに三ッ葉彦命の神霊に感合し三界の真相を極めた。この岩窟は宇宙の縮図

で禽獣虫魚の類にいたるまで森羅万象ことごとく、その所を得て地上の神国が形成されていた。岩窟の中から女神が

出現され、磐樟彦に向かい”坤の大神豊国姫のご精霊体なる照国の御魂を親しく拝せしめむとす”とつげる。この

御魂を拝したところ三千世界の一切の過去、現世、未来が手にとるごとく明瞭になった。

 神界の状勢は、必然一度は天地の律法破壊され国祖国治立命と坤金神豊国姫は一度は根の国にご隠退のや

むなきに至ると。

 その後に盤古の神政へと移るが、わずか数十年にて盤古の神政は転覆し、始めて五六七の神政が樹立される

ことになる。焦慮(あせ)ず、恐れず神徳を修めて一陽来復の春のきたるを待たれよ」と宣示された。

 三巻の中でも最も重要なところで聖師ご生誕にまつわる物語であり、現在の状況を暗示されている。神徳を修めて

時節の到来を待つことの大切さを教示されているように思える。