教室レポート(151) 2017
金沢。富山共通
愛善世界3月号掲載の霊界物語第3巻第14章「霊系の抜擢」を拝読。
長白山は中国と北朝鮮の国境にある山で中国名を長白山、朝鮮名は白頭山です。神国別命は木星からこの山に
下った神と書かれています(2巻)。又、現北朝鮮では金正日前書記長が生まれた所とされる伝説の山です。
長白山には十二の国魂の中、白玉が鎮祭され、神代は祭政一致であったので祭祀は八王神有国彦が、政務は八頭
神の磐長彦を任命されてこの地域一帯が治められていました。
天使会議の四柱の神は、素盞嗚尊の四魂の神で、大八洲彦命(和魂)と大足彦命(荒魂)は霊系の神で、言霊別
命(幸魂)と神国別命(奇魂)は体系の神です。
妻を失った磐長彦は内助補佐役である妻が居ないと、政務に支障を来すので侍女の玉姫を新しい二度目の正妻
として迎えたいと願い出ます。そこで有国彦は判断に迷い天使長大八洲彦命に判断を仰いだのがこの章の話で
す。
ここでは霊主体従の行動と体主霊従の行動について論議が交わされました。
大足彦は一夫一婦が天地の律法で定められているから、これは違反で体主霊従の行動であると主張します。
一方、言霊別命はそもそも磐長姫が磐長彦と霊系を異にしていて、最初から妻として相応しくなかった。
「この夫妻は初めから恰好《ちょうど良い》の縁ではない、霊系を無視し体系を重んじたことに起因するもの
だ。霊系の合致しない者と者とを夫婦とし、外観の体裁に重きをおくのは実に霊系を無視したものだ。今はこ
の過ちを避け、霊系の等しい玉姫を入れて正妻としようとするのは、体を軽んじ霊を重んじる天地の法則に適
い、霊主体従の本義に基づくものである。」と主張します。
これに対し、大足彦命は言霊別命の説は一見理に適っているように見えるが、実は「現在卑しい侍女を、一
国を司る八頭神の正妻にしようとするのは、神界の秩序を紊すもので、提灯に釣鐘で均衡の取れない不均衡な
結婚」で許されないと主張します。
そこでまた、言霊別命は「どんなに卑しい侍女だからといっても、その霊性が美しく高貴なら、たとえ形の
上で卑しい職にあっても、その精神が立派なら、霊主体従の本義より考えればこれを否定すべきでない。」
むやみに家柄を重んじるような旧思想を守るのは、ただ体面を重んじるだけで、天地の律法の精神が解ってい
ない頑固で愚かな古い思想と決めつけます。
議論は尽きることがないので、大八洲彦命は多数決で玉姫との結婚を許可します。
ここに出てくる「霊主体従の行動と体主霊従の行動」と「霊系、体系」の関係はなんでしょうか。
霊主体従は字の通り霊を主とし体を従とする考え方で、体主霊従はその反対の考えです。宇宙は霊体の二元か
ら出来ており、霊も体も等しく重要です。従って霊五体五です。しかし全く互角のものが2っあって、互いに
主張し合っては統一を欠きます。そこで霊を主とし、体を従とすることで治るのです。現界に生きる我々人間
はその本体が精霊(霊魂)である本守護神で、肉体は精霊の宿だと示されています。それで霊魂が主で肉体が
従となります。これは全ての考え方に反映され霊的なものを主とし、体的なものが従としなければなりません
。自分を過信せず神に全てを任せ、他人を思いやる正しい心が主(善)で、物質や自己を主とする考え(体)
や欲望のみに心を注ぐ考え方は従(悪)となります。 ・・・神(霊)主自(体)従 《反対語》 尊体卑心の
身魂
今の人は霊界のあることを知らず、教えても体的思考である科学のみが全てと考え霊界のあることを信じよ
うとしない人が大多数です。人生にとって永遠の命を約束されていると考えるか、一代限りの命と考えるか、
そこに大きく生きるということの意味が違ってきます。一代限りの命と考える人は現界のことのみを主とする
ため、つい自分の欲望のみに走りがちです。考えれば先のない人生で何の楽しみがあるのでしょうか。虚無感
だけが残ります。
科学者の物質主義の考えを変え、心を主体とした、神(霊界)の存在を認めた精神的生き方にすべきです。
章題である「霊系」と言うこと。
先に書いたように宇宙は天之御中主神の霊系、体系二元の働きの結合によって活動が生まれます。霊魂の働き
も霊系と体系に分けられ、国祖御隠退までは彦と別とに神名が付けられていました。
しかしここでの霊系体系は別の意味があるようで、霊的な繋がりを異にしているということでしょう。
第2巻総説に『神の直接の水火より生れたる直系の人間と、天足彦、胞場姫の系統より生れいでたる人間とは、
その性質において大変な相違がある。』と書かれています。
この磐長姫や、常世姫、高姫は体系(悪)の働きが強くなかなか改心が難しい魂で天足彦、胞場姫の系統では
ないでしょうか。従って磐長彦と磐長姫とは霊系を異にしているのでしょう。
一方体的繋がりがあります。肉体は精霊が現界に居る間の入れ物(宿)で、これも人類が誕生してから現代ま
で連綿と続いています。家柄という言葉がこの肉体的繋がりを象徴しています。ここで大足彦がいう「提灯に
釣鐘で均衡の取れない不均衡な結婚」と言うことになるのでしょう。我々は時として「何所の馬の骨か判らな
い」と言いますが。DNAを辿っていけば何処か1カ所にたどり着くので皆平等です。
しかし財産や地位を主と考え、同じような家柄を大切にし、本来主としなければならない霊を軽んずる傾向に
あります。それは霊が目に見えないからでしょうが、その人の人柄に接すれば判ります。
夫婦の霊的関係について、第14巻第12章「復縁談」に以下の文があります。
勝『夫婦と云ふものは無論身魂の因縁で結ばれるものではあるが、身魂と云ふものは、【いくら】にも分れて
此世へ生れて来て居るものだ。併し余程神力の有る神の身魂なれば四魂と云つて四つにも分れて此世に生れて
来るものだが、一通りの人間は先づ荒魂とか和魂とか二魂が現はれて来るのが普通だ。それだから二度迄は同
じ身魂の因縁の夫婦が神の引合はせで、不知不識に縁を結ぶ事となる。それだから三人目の夫や、女房は身魂
が合はぬから、どうしても御神業が勤まらないのみならず、神界の秩序を紊し身魂の混乱を来す事になるから
厳禁されて居るのだ。
・・・・ちょうど幽界へ行つてからの夫婦と云ふものは、仲の好い兄弟のやうなものだ。肉体の夫婦は肉体の
系統を繋ぐための御用なり、神界の身魂の夫婦は神界に於ける経と緯との御用をするのが夫婦の身魂の神業だ』
親親のそのまた親を訪ぬれば 伊邪那岐の神 伊邪那美の神
と言うお歌があります。霊的には大神様を頂点として霊性が段階的に高下に分かれ永遠に変わることはありま
せんが、一方肉体は先祖である肉体は全て滅んでしまい現在生きている人間だけが残るので、横一列です。ま
た社会的にはほんの一時期だけの繁栄で、栄枯衰勢をくり返し全てが過去へと消えて行く果敢無いものです。
●金沢教室
第17巻第9章「大逆転」、第10章「四百種病」、第11章「顕幽交通」を拝読。
第10章「四百種病」を拝読
黒姫は高姫の書いた神諭を声高々と読み上げるが、その内容はほとんどが開祖の御筆先のパクリである。そし
て高姫は常世姫の現れだと言っており、瑞の御魂の排斥が目的と語っている
第11章「顕幽交通」では。
病に伏せっていたお節は黒姫の筆先を聞いて仮死状態となり八衢に来ています。先の羽化登仙で救われた鬼彦
、鬼虎たち5人の副守護神が裸男となって現れお節に絡む場面です。平助に罵倒された恨みが妄念となって、
お節を痛めつけようとしています。お節の叫び声で青彦が助けに来ます。 ここに出て来た青彦が自分は和魂
だといっています。第13巻第21章「本霊」ではウラル教の半ダースの宣伝使のうち岩彦だけが改心できずにい
る場面で、『斯く申す妾は天教山の木花姫が和魂なるぞ』とあります。また、16巻第18章「遷宅婆」では、神
霊鎮祭を終わった英子姫に天照大神様が神懸かりされ 『我は天照大神の和魂なり、・・・』といっています。
青彦の天の数歌(神歌)で修羅の妄執が解け、更に神言によって5人は救われます。副守護神も改心によって
は天国に救われるのです
第19巻第14章「声の在所」と第15章「山神の滝」を拝読。
第14章「声の在所」では、
「山神の滝」では
松姫は来勿止の神の問いに答えて、素盞嗚命に極力反対してきた高姫、黒姫の罪が許されるように、弟子であ
る松姫が玉照彦様を迎えて三五教に帰順すれば師匠の罪が許されるとして、高熊山に来たことを告げます。こ
の場面は馬公鹿公の紫姫を思う気持ちと通じる物があります。来勿止の神は松姫に対して 『貴女は余程御改
心が出来て居るやうだが、未だお腹の中に副守護神が沢山に潜伏して居りますから、此儘御出でになつても玉
照彦様が御承知下さいますまい。此先に山の神の滝がございますから、其処で七日七夜荒行をなさつて副守護
神を追ひ出し、至粋至純の本心に復帰り水晶玉に磨き上げた上、御出でにならなくては駄目ですよ』と七日七
夜の荒行によって御霊を磨き上げるよう滝での修行を命じます。そして、竹公には容赦なく扱くよう命じます
。しかし、竹公は 『神様は形だけをすれば赦して下さいます。可愛い世界の氏子に何を好んで辛い目をさせ
なさいませう。
貴女が生命がけの荒行をして、御詫をしようと決心なさつた其の心が、既に貴方の罪を赦して居ります。唯今
の貴女は最早ちつとも罪は無いのですよ。本当の生れ赤児の心ですワ。』と情けを以て応じます。
谷丸、鬼丸、テルジー、コロンボ達四人は自分たちの行動が神様のお許しがない時、九分九厘でひっくり返る
こと、相手を大悪魔の敵と思っていたが本当の敵は自分の心の中にいたことに気づきます。
以上阿良田記
次回
金沢教室 4月17日(月) 午後1時30分より
高岡教室 4月20日(木) 午後7時より
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