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教室レポート(144)        2016











金沢・高岡教室 8月3日(水)  


今月は出口孝樹先生をお迎えして金沢、高岡教室合同勉強会を開きました。


出口先生のお話

開祖が御筆先を書かれた時代は近代社会へと発展して行く半面、現代もそうだがそれに取り残され生活にあえ

ぐ人達が居り、生活の格差が広がって行く時代でした。

開祖の書かれた御筆先(ひら仮名文)を取捨選択をしてひら仮名文に漢字を当てて、出口聖師は大本神諭とし

て世に出されます。地方都市綾部のほんの小さな信仰集団であった大本が、聖師の努力で全国へと広まって行

きます。社会には格差への不満を抱く人達にとって神諭の立替立直しというメッセージは大変強烈なものとし

て受け止めらそれ、それがインテリ層や軍部、経済界の人々に広まって行きます。

そして結果として大本第一次事件や霊界物語のご口述へと?がって行きます。大正五年の神島開きはそれらを

見据えた大本にとっての意義有る出来事で、聖師が天のミロク様だと言うことが国常立尊によって明確に示さ

れます。

この後、宣教部の長谷川さんによる、神島開き百周年記念参拝の模様(写真と映像)がプロジェクターを使っ

て説明がありました。その後、7月に東海本苑であった神島開きの意義について御話された内容の一部を長谷

川さんから映像を交えて御話頂きました。


 

第19巻第三章「千騎一騎」と第4章「善か悪か」を勉強

「千騎一騎」では綾部周辺の地理的説明があり次いで、黒姫が大蛇に還元して川を渡る場面が出て来ますが、

還元についての説明がありました。

詳しくは第4巻第18章 「隠忍自重」に「ゆゑに神人なるものは危急存亡の時に到るや、元の姿のままの竜

となり、白蛇となり、その他種々の形に還元することあり。されど還元するは神の生成化育、進歩発達の大精

神に違反するものにして、一度元形に復し神変不可思議の神力を顕はすや、たちまち天則違反の大罪となりて、

根底の国に駆逐さるるのみならず、神格たちまち下降して畜生道に陥るの恐れあり。ゆゑに神人たる名誉の地

位を守るためには、いかなる悔しさ、残念さをも隠忍してその神格を保持することに努力さるるものなり。自

暴自棄の神人はつひに神格を捨て悪竜と変じ、つひに万劫末代亡びの基を開くなり。現代のごとき体主霊従の

物質主義者は、すべてこの自暴自棄してふたたび畜生道に堕落したる邪神と同様なり。これを思へば人間たる

ものは、あくまでも忍耐の心を持ち大道を厳守して、神の御裔たる品格を永遠に保つべきなり。」だだし、「

神人とは現代にいふ人格の優れたる人をいふにあらず、人の形に造られたる神にしてある時は竜蛇となり、猛

虎となり、獅子となりて神変不思議の行動を為し得る神の謂なり。」とあります。

「善か悪か」は黒姫の帰った後に亀彦が英子姫の直使としてやって来ます。お褒めの言葉を貰えるものと思っ

ていた紫姫、青彦は

『其方事は神界経綸の玉照姫を天地の律法を忘却し、権謀術数の秘策を用ゐ、反間苦肉の策を以て目的を達し

たる事神意に叶はず、彼れ玉照姫の神は、一旦、ウラナイ教の黒姫に与ふべきものなり。一時も早く玉照姫様

及びお玉を黒姫の手許に送り、汝等は此責任を負ひて宣伝使の職を去るべし、との厳命で御座る』との亀彦の

言葉に青彦は憤慨し、亀彦を霊縛に掛ようとしましが、亀彦の背後に光華明彩六合を照徹する女神が現れ、両

人はワナワナと震ひ戦き、涙に畳を潤します。

なにほど目的は立派でも手段を選ばない行動は、俗人の為すべき事で、三五教の宣伝使として余り立派な行動

とはいえません。「吾々両人を殊勲者として大神様より賞詞さるる様な事あらば、それこそ三五教の生命は茲

に全く滅亡を告げ、ウラル教となつて了いませう。アヽ大神様の御言葉には千に一つもあだは御座いませぬ。

是よりは前非を悔い身魂を研いて本当の宣伝使にならなくちやなりませぬ。」と紫姫は悔悟します。誠が大切

なので誠によって物事は成就するのである。馬公の「おめでとう」という言葉に、紫姫は臍下丹田(したつい

わね)の天の岩戸が開けましたといっています。また、三章(43ページ)に黒姫は紫姫に対し「貴方の行り

方は三五教の精神を破壊する行り方、つまり優勝劣敗利己主義(われよし)ではありませぬか」と言っていま

す。

現代の吾々が好く使う権威を笠に着た行動や騙しは三五教では決して許されないのです。

                                      以上阿良田記

次回  富山9月15日(木)午後7時  第16巻

    金沢9月19日(月)午後1時30分より 19巻


大阪教室 8月11日(木)  

第25巻11章「風声鶴唳」から13章「握手の涙」までを輪読しました。

 舞台は地恩城に戻ります。月見の宴を開いていると、女王黄竜姫の眼には大軍をもって襲い来る友彦の軍勢

が映じ、たちまち身体震動して高殿より転落してしまいます。母の蜈蚣姫は驚いて黄竜姫を追い、これまた千

仞の谷間に…と思いきや、これは二人の身体に残る副守護神が落とされたのであって、後に残った二人の本守

護神は依然として高殿で月を愛でていたのでした。

そこに慌てて報告に来た貫州と武公、彼らも友彦の軍勢を認め、交戦の結果敗走し、女王に脱出を進言する

のでした。しかしこれも先ほどと同様、友彦が攻めてくるとの恐れが生み出した夢でありました。ここで門番

のマールが貫州に諏訪の湖の蜃気楼の話をしますが、これが後の話の伏線になっています。

 さてその後、本物の友彦が地恩城へ乗り込んできます。しかしながら供の者を連れず、妻のテーリス姫のみ

同行。貫州らは疑い、友彦らを半死半生の目にあわせますが、友彦夫婦は無抵抗を貫き感謝祈願の祝詞を奏上

します。貫州らは小気味が悪くなり、一緒に祝詞を唱えるようになりました。黄竜姫は右守の鶴公の制止を聞

かず、自ら迎えに行って友彦夫婦と謁見。もと夫婦の黄竜姫と友彦は互いに前非を謝し、そしてオーストラリ

ヤ西部を治める友彦は、東部を治める黄竜姫の部下となって、三五教の大道を全島に拡充することになったの

でした。


 次回は9月8日(木)、第14章「園遊会」から。いよいよオーストラリヤ篇のクライマックスです。登場人物

たちの完全なる改心、諏訪の湖の得も言われぬ神々しい情景が描かれ、第24巻末の玉依姫命との約束が果され

て、麻邇の宝玉がオノコロ島の綾の聖地に納まる経綸が語られます。

                                                        (長谷川記)



四日市教室 8月19日(金)  

 

 第31巻の4章から7章まで読み進めました。

 南米ヒル(ペルー)の都を襲った大地震に対し、国依別は球の玉の神力と言霊の力をもって鎮め、神司楓別

命は炊き出しを行わせ負傷者の救済に当たりました。楓別命の妹紅井姫は命の恩人・国依別に恋患い、日頃よ

り紅井姫を恋い慕っていた秋山別とモリスが国依別を敵視し排除を謀ります。そこへ国依別を訪ねてやって来

たのは地震で母を亡くしたエリナ嬢。モリスはエリナが否定するのも聞かず国依別の女房と決めつけ、国依別

排斥に利用しようとします。

 恋心募る紅井姫に、国依別は消息のつかめないキジ、マチらの救出に向かうべく別れを告げますが姫は納得

しません。現われたエリナを国依別の女房と疑い自害騒動に。乱痴気騒ぎの末、紅井姫とエリナは国依別に同

行してヒルの都を出発します。

 合点行かない秋山別とモリスは道中で国依別を襲い、紅井姫とエリナを拐かす策を練ります。そしてどちら

が紅井姫を娶るかで喧嘩となりますが、森蔭で聞いていた国依別は天狗のふりをして体よく二人の男を追い払

います。

 世間知らずの紅井姫のとぼけた言動、秋山別とモリスのストーカー気質、女泣かせの国依別の過去(第20巻

参照…当時は宗彦の名)など、見所たくさんの面白いストーリーでありました。

 次回は9月23日(金)、第31巻8章からです。

                                                          (長谷川)



八重洲教室 8月19日(土)  


 東京・八重洲教室では第39巻15章から輪読し、附録の大祓祝詞解まで読了しました。

 第39巻からは、八岐大蛇に憑依されたバラモン教大教主・鬼雲彦(大黒主)を言向け和すため、三五教宣伝

使たちがインド・ハルナの都へ向けて宣伝の旅をする物語を主にしています。ここまでの展開よりシンプルで

、場面描写や心理描写が丁寧ですので、難解な初めの方の巻で挫折した方はこの巻から読み始めるのも一手か

と思います。


 今回読みましたのは……照国別の宣伝使が妹の菖蒲(あやめ)と偶然の再会をし、バラモン教大足別に囚わ

れている両親を救出に向かうも陥穽に落とされるという危難に。黄金姫の霊眼で照国別の危難を知った国公は

バラモン教からの改心組を連れて清春山に到り、ヤッコスと名乗って内偵をしていた三五教宣伝使の岩彦と協

力して照国別を救出、照国別は無事親子対面を果したのでありました。一方、黄金姫(蜈蚣姫)は娘の清照姫

(小糸姫・黄竜姫)とともに、夫のバラモン教副棟梁・鬼熊別を言向け和しに二人旅。黄金姫の眼力と智慧と

武威によって幾度のピンチを受け流し進んで行く、その剛胆で颯爽とした姿はきわめて魅力的であります。そ

こへバラモンの大軍が人馬の音、金鼓の響き、矢叫びの声すさまじく迫って進み来たり、「サアこれからが本

当の神軍と魔軍との戦争だ。清照姫用意をなされ。レーブ、覚悟はよいか……」という黄金姫のカッコイイ台

詞で次巻に続いていきます。

 附録の「大祓祝詞解」は大祓詞の大本言霊学による解釈の一つを示されたもので、字義的解釈にとどまらな

い天地の神の経綸、宇宙の神秘、日本人の使命等が説かれています。現在大本で使用している「神言」は第60

巻に「天津祝詞神言の二章は古代の文なれば現今は使用せず」という但し書きつきで収められたもので、大祓

詞とは一部が異なっています。天皇中心の世界観を宇宙の創造主神中心の宇宙観へ転換するこの改変は、不敬

あるいは国体の変革と見なされる恐れがあり、戦前は大本でも奏上することが許されませんでしたが、第二次

大本事件控訴審判決(昭和17年・治安維持法無罪)のあと未決出所した王仁三郎先生は「この祝詞を奏上しな

いと神徳はない」として第60巻の祝詞を奏上するよう指示されたのでした。


 次回は9月24日(土)、第40巻に入ります。                                (H記)