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教室レポート(137)        2016











金沢・高岡教室 1月13日(水)  


今月は出口孝樹先生をお迎えし、新年会も兼ね行われました。


出口先生のお話

大本に来て、霊界物語を読んで最初に心に響いた箇所として17巻の羽化登仙があります。悪人である鬼

彦、鬼虎達が改心をします。しかし、改心したとはいえ肉体のままでは現界では徹底した改心が出来ない

ので、霊界に引き取って救うという御話は、信仰によって救われると言うことは病気が治ったり、命を長

らえるという事とばっかり思っていた自分にとって、神様の慈悲で死ぬことで霊界に救われると言うこと

が思いがけない事であったと話されました。自分にとっては一日でも長生きし健康で楽しく生きることが

救いだと思っていのたが、神様の眼から見たら霊界で活躍させるという救いがあると知って、今までの自

分の考えと違っていたので困惑されたそうです。吾々の魂は永遠の命を保ち、この世で修業をし霊界の復

活するという大本の教えからすれば死をよって救うと言うことはうなずけるのです。

しかしその当時はストンと納得がいかなかったのですが、大きな災害によって多くの人々が死んで行く

のがどう言うことかと考えたとき、勿論、罪を犯した人達もあるであろうが、霊界に引き取って救われる

のだと納得がいったそうです。現世でつつがなく一人死を迎える人も、こうした戦争や災害によって集団

で死んで行く人も、魂がこの世からあの世に移るということには変わず、死は一人一人の問題であり、神

様はその一人一人のことを考えて見守って下さるのだと感じられたそうです。


出口先生に同行された長谷川さんから18巻のお復習いがあり、次いで山鹿の研修会でも話された高姫さ

んについての話がありました。彼女の生い立ちから若い頃の話があり、ついには妖幻坊に欺され兇党界に

身を置くようになります。ウラナイ教の教主であり改心と慢心を繰り返し全く自分本位の行動をとる姿は

御霊の因縁性来とはいいながら、吾々にとってある意味霊界物語の中における一つの謎ではないでしょう

か。


続いて第18巻第12章「大当違」、13章「救いの神」を拝読。

「大当違」ではウラナイ教の富彦、寅若、菊若が於与岐の豊彦の家に行き弥仙山に参拝して神勅を受けた

ので玉照姫様を迎えに来たと偽ります。寅若の不用意な言動に怒った豊彦は彼等を追い返します。しかた

なく逃げ帰り、次の作戦会議をし、梅公式と滝板式を折衷した梅滝式で、生母お玉が七十五日の忌明けで

お空の宮に参拝するのを待ち構えて拉致しようとします。

菊若が「弥仙山の大神様は猫が使者(つかわしめ)だと云う事だ」と言っています。使者はお稲荷さんな

ら狐、日吉大社なら猿が使者です。この弥仙山は大本の歴史では明治34年に開祖が中の宮でお籠もりにな

ったり、開祖と聖師が神界の和合が出来たということで岩戸開きの神事をなさっています(教室レポート

130を参照)。2頁の写真は聖師が書かれた絵で、下に描かれた動物は猫です。それはこの地方は養蚕が盛

んでネズミが蚕の繭を食べるので猫を飼って蚕を守ったという所から猫が弥仙山の使者となったのです。

また続いて、「結構毛だらけ、猫灰だらけ」といっているが、私などはごく最近の言葉(フーテンの寅さ

んの口上)かと思っていたが、物語(大正11年)に出てくるように昔からいう「付け足し言葉」のようで

す。《講談・寛永三馬術、落語・お直し、能狂言に登場》


13章「救いの神」では寅若達に襲われたお玉は抵抗しますが終に猿ぐつわを嵌められます。下から白い

笠を被った人が昇ってくるので、慌ててお玉を灌木の陰に隠します。昇ってきた男に慌てて逃げようとし

ますが霊縛を掛けられ身体は硬直します。お玉はその男(実は丹州)に助けられます。そして丹州はしば

らく豊彦の内で同棲します。丹州は前巻から出て来ますが聖師は「これはワシや」と仰ったそうです。

霊縛で身動きできない三人に対して「案山子彦又の御名は曽富斗(そふど)の神」といっていますが。古

事記においては久延毘古(くえびこ)という名の神で案山子であるとされています。この神の働きは案山

子の様にじっとしていながら全ての情報を持っている神で、現代風にいえば「インターネット」のような

存在でしょうか。

                                        以上阿良田記

次回2月15日(月) 金沢教室 午後1時30分より

2月18日(木) 高岡教室 午後7時より


大阪教室 1月14日(木)  


 新年最初の大阪勉強会。第24巻は前回までに、小糸姫が黄竜姫になるまでの過去の物語が語られていま

した。今回は23巻の続きです。蜈蚣姫は娘の小糸姫を捜して竜宮島へ、高姫はこれを玉探しに利用しよう

と同行し、船で小豆島を出て関門海峡を通り、(奄美)大島、現インドネシアのアンボイナ島へ。行く先

々で神の試練を受け改心を迫られますが、その兆しが見える蜈蚣姫に対して、高姫はなかなか一足飛びに

改心とは行かないようです。ここで改心していればこの後の感動的な大神業にすんなりと参加出来たはず

なのにと思うと残念に思います。


 

第24巻

■5章「蘇鉄の森」

蜈蚣姫ら蘇鉄の森で怪異の苦難に遭う。高姫は真正の日の出神に戒められるが、すぐに訓戒を忘れ、蜈

蚣姫らを置き去りにしようとする。貫州に救われた蜈蚣姫は、高姫の本心を知り口論となる。


 

■6章「アンボイナ島」

船中、天の八衢彦命を名乗る声が蜈蚣姫と高姫に説教。やりこめられ、アンボイナ島に上陸する。

 

■7章「メラの滝」

この島に三個の宝玉があると見込んだ一行は、船が流されたのも知らず、三ヶ月も捜索する。船の流失

をめぐって諍いが起こり、メラの滝、濃霧の中で貫州が高姫の本心を暴露。蜈蚣姫が高姫を掻きむしる。


 

■8章「島に訣別」

言依別命の命で玉治別・初稚姫・玉能姫が助けに来た。途中、難船した友彦らを拾っている。玉治別が

蜈蚣姫を蘇生。しかし高姫は玉治別らを疑い、帰郷を拒否。蜈蚣姫らに友彦を加え、ニュージーランドへ。

 

 

                                                     (長谷川記)