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教室レポート(127)        2015










大阪教室 3月12日(木)  


出口孝樹氏のFacebookなどを通じてご参加くださる方が少しずつ増えてきた大阪教室。今回は手作りウク

レレの宣伝歌弾き語りなどがあって、いつもながら和気あいあいと進んでいきました。また十分に紹介する

時間がありませんでしたが、天津祝詞(禊祓詞)の出口王仁三郎先生による解説(『霊界物語』第30巻)を

プリントしてお土産にいたしました。


さて、今回も第22巻の続きから、摂津国鷹鳥山(高取山)から生田の森(現神戸市)を舞台とする物語を

読み進めました。


■第14章「初稚姫」

 時置師神の杢助は6歳の初稚姫を背に負い、宣伝歌を歌いながら玉能姫の精霊を伴って鷹鳥山の庵に現われ

た。初稚姫はたちまち神懸りになり、「八岐大蛇の猛り狂ふ世の中、暗黒無道の娑婆世界とは云ひながら、

汝等が心の岩戸開けし上は暗黒無明のこの世も、もはや娑婆世界ではない、天国浄土である」などとミロク

の神の教えを説いたのち、父子は玉能姫の精霊とともに姿を消した。


■第15章「情の鞭」

 鷹鳥姫(高姫)は、若彦に金助・銀公をつけて、生田の森の杢助父子のもとへ御礼に参らせるが、そこを

バラモン教のスマートボールらに襲われる。金助はバラモン勢を説得するが、スマートボールらは鷹鳥姫の

庵に行ったこともないと答える。結局、若彦の宣伝歌の前にバラモン勢は退散する。生田の森に着いたが、

杢助は若彦と玉能姫夫婦の将来を案じ、若彦をすげなく追い返す。


■第16章「千万無量」

 玉能姫は夫と別れて活動することに心の迷いを感じながらも、宣伝への決意を一弦琴に託して歌っていた。

窓の外に、バラモン軍に暴行を受けている夫・若彦の姿を見せられるが、玉能姫は心を鎮めて天津祝詞を奏

上した。すると若彦の体から霊光が発射し、気づけば人影は皆消えていた。玉能姫は心の迷いを正してくれ

た神に感謝した。


■第17章「生田の森」

 杢助館に国依別が訪れ、問答を済ませた後に鷹鳥姫(高姫)が訪ねてきた。国依別は暗闇の中で杢助の真

似をして高姫と問答し、高姫の内にある玉への執着心をあぶり出す。国依別が玉の在処は分からぬと明かす

と、高姫はがっかりする。杢助はそれを見て大笑いする。


 第16巻から続く三つの玉(瑞の御霊)の話は、この後の章でいよいよクライマックスを迎えます。すなわ

ち、この巻の第1章で語られた「言依別命の神業によりて、三種の神宝は錦の宮に納まり、いよいよ神政成就

に着手し給はむとする時、国治立命と豊国姫命の命により、未だ時機尚早なれば、三千世界一度に開く梅の

花の春を待ちて三箇の神宝を世に現はすべしとありければ、言依別命は私かに神命を奉じて、自転倒島のあ

る地点に深く隠し給ひし御神業の由来を本巻において口述せむとす」の真相が語られます。

                  

                                         (長谷川記)

                          



富山・高岡教室 3月19日(木)  


金沢。富山教室共通

愛善世界3月号掲載の霊界物語第12巻第15章「宣直し」」を拝読。

 この12巻は全体が天岩戸開きとなっています。第一篇は個人の、第二篇は宣伝使の、第三篇は厳瑞二系の

天岩戸開きと言われ、第一五章は第二篇にあり宣伝使の心の天岩戸開きと言うことになります。一行と行動

を供をしてきた初公こと行平別は13章「秋月の滝」で醜の大蛇を退治します。他の五人の宣伝使が大蛇に

呑み込まれたのを見て、助けようとして自分も呑み込まれ一行に追いついたところから15章が始まります。

 冒頭に宣伝歌があり前章の最後で「ハツと思ふその途端目を開けば、高熊山の巌窟の前、十四夜の月は早

くも弥仙山の頂に姿を隠さむとする真夜中頃なりき。」を受けてのものです。

 ナイル川に懸かる六つの滝の最初の秋月滝を征服し一行は深雪の滝に向かいます。登場人物は蚊取別と蚊

取別の先妻であったが今は、夏山彦の妻となった祝姫。霊鷲山(髙熊山)で修行した万寿山(亀岡)の八王

磐樟彦の三人の息子で俗に三光の宣伝使と言われる高光彦、玉光彦、国光彦とその昔は天使長行成彦の従者

であった行平別こと初公の6人連れです。この後、三光の宣伝使は素盞嗚尊の三女神秋月姫、深雪姫、橘姫

と結婚します。

 蚊取別の宣伝使は正に宣伝使の養成を神務の一つとしておられる木花姫の命です。初公は蚊取別が傍に居

ると思い安心して真剣に宣伝歌をあげると暗黒であった世が微かながらも日の光がさします。

蚊取別が祝姫を夏山彦の元に送り届けるシーンがありますが、これはまさに戦艦ヤマトのアニメに出て来る

「ワープ」現象です。従っていわゆるテレポート(超能力の一種)とは違うようです。大正11年の物語に

出てくると言うことは将来実現すると言うことでしょう。

 『霊より覚めし瑞月は  神の使に十四夜の  御空を仰ぎ眺むれば  星の瞬きやうやうに  霞みて

月も弥仙山  峰の後にかくろひて ・・・・ 』  は第14章の最後、『十四夜の月は早くも弥仙山の頂

に姿を隠さむとする真夜中頃なりき。』を受けたものです。亀岡にある高熊山からは綾部の奥にある弥仙山

は見えるはずがないのでこの表現もまた大蛇に騙されたようなものですが、シナイ山は弥仙山に比定される

ことから、取り上げたのではないでしょうか。

 六つの滝とは現実の滝と言うよりここに登場する六人の宣伝使の心のうちで、蚊取別を除いて五人の宣伝

使の心の内面を示しています。秋月の滝では「人は背水の陣を張らねば何事も成功しませぬ」と玉光彦が言

うように。初公は他人(蚊取別)に頼らず神のみを杖とする心を得ます。

 祝姫は蚊取別の言うように、秋月の滝の大蛇退治に向かい失敗し、イホの都の酋長夏山彦に助けられるが、

蚊取別と結婚したのも大蛇退治に失敗するのもみな神の計らいで、夏山彦と祝姫を結び合わせるためのお仕

組です。本来が祝姫と夏山彦は霊の夫婦で蚊取別とは結婚できない身です。また世界をまたに宣伝使として

活躍してきた祝姫にとっては簡単なことでは宣伝使を辞め家庭婦人として納まることはできません。そこに

神の慈愛があり、祝姫自身も世間も納得行く方法で収められたのです。祝姫はもっと宣伝使としての旅を続

けていきたいという執着心があります。そこに腹八分と言うか「自分が全部した、やった」と言う慢心があ

ると神にも世間に対しても謙虚さが失われます。神の教から行けば常に「自分はたらわぬ者」という身を謙

った気持ちが大切なのでしょう。

 玉光彦の宣伝使がいうように「勇断果決(勇気をもって速やかに決断する)、獅子奮迅の勢を以て、先づ

自分の霊に憑依せる悪魔を追出し、清浄潔白の霊になつた上悪魔を征服する資格が初て出来るのだ。大瀑布

に悪魔が居ると思へば、豈図らむや、自分の心の奥に白瀬川の大瀑布が懸り、そこに大蛇の悪魔が巣ぐうて

居るのだ。身外の敵は容易に征服出来るが心内の敵は退治が出来難い。先づ深雪の滝の悪魔に突撃するまで

に、各自の悪魔を征服し、或は帰順せしめて後に掛りませうか」と言って四人で天津祝詞を奏上し、宣伝歌

を高唱することで四人の心に天岩戸が開けます。ミロクの世を迎えたいと願うなら先ず自分の心に天国を迎

えることが肝要です。

 最後の宣伝歌では「舌の剣」によって人々は自分も他人もどんなに傷つけているかが歌われています。口

から出る「言霊(舌)の奥には心」があり神になるのも鬼になるのも心の持様一つなのです。心に天岩戸を

開かなくては神代を開く言霊は生まれてきません。

 大本(霊界物語)の教に苦集滅道があります。その中の「集」は全体を組織するものは個であり、個によ

って全体は成り立っていると言うものです。地上に天国を建設するのが大本出現の意義です。個々である一

人一人の心の内に天国が築かれなければ全体である社会は天国即ちミロクの世が建設されたとは言えません。

また見方を変れば社会が仮にミロクの世を迎えていても、ある個人の中に天国が築かれていなければその人

にとってはミロクの世とはなりません。物語の中での天岩戸は白瀬川(ナイル川)に懸かる大蛇退治ではな

く自分の中の大蛇退治なのです。


富山・高岡教室 

第17巻第12章「花と花」第13章「紫姫」を拝読。

章題「花と花」はうら若く見目形よき、悦子姫と紫姫の初対面です。紫姫は馬、鹿の二人の供を連れ、真名

井が原の豊国姫を参拝するため都から遙々やってきますが、鬼ヶ城にいる鬼雲別の子分荒鷹、鬼鷹に欺され、

囚われの身となります。二人の下僕が殺されたのでその着衣を川で洗っている所へ来合わせます。悦子姫、

音彦、加米彦達一行は荒鷹一味が隠れる岩屋に紫姫の案内で向かいます。岩屋の近くで紫姫の注意も聞かず

走り出した加米彦は穴に落ち込みます。

「紫姫」では岩窟の中に入るが、荒鷹、鬼鷹達は鬼ヶ城に行っていて、岩窟内は留守番が四五人いるだけで

酒によって寝ています。ここに木花姫の化身丹州が出て来ます。丹州は豊国姫の神より命令を受け岩窟に入

り込んでいたのです。紫姫の下僕馬、鹿は丹州によって保護されていたのです。ここに一行は鬼ヶ城を目指

して出発します。途中大風が吹き、丹州の子分二人は風に飛ばされ姿を消します。その後の言及が無いので

二人の役目は済んだのでしょうか。そして、悦子姫、音彦、加米彦、紫姫、馬、鹿に丹州一行は天津祝詞を

奏上し宣伝歌を謡い終わり、鬼ヶ城めがけて進み行きます。


金沢教室 3月23日(月)  


第15巻第16章「水上の影」を拝読。

三組の夫婦は岩窟内を探検し、神素盞嗚の大神が御再臨され、人々を救うことを願う西蔵の人々を救います。

更に一行は進んで行くと愛子姫の腰元浅子姫が囚われの身となっているのを救い、さらに幾代姫、菊子姫の

侍女岩子姫、岸子姫を救い、ここに顕恩郷の変以来三組の主従が無事再会します。

      以上阿良田記

次回

金沢教室 4月20日(月) 午後1時30分より 第15巻

富山・高岡教室 4月23日(木) 午後7時より 第17巻