物語関連地PHOTO(7)





  サルヂニア島より見るエメラルド海岸




綾部 本宮山

霊界物語 第五巻 第三三章 暗夜(やみよ)の光明(二三三)

 一行は先を争うて暗中模索、島に駆上った。山頂には一道の光明暗を縫うてサー
チライトのごとく、細く長く海面を照らしてゐる。この島は地中海の一孤島にして牛島
といひ、また神島、炮烙島と稱へられた。現今にてはサルヂニア島と云ふ。またこの海
を一名瀬戸の海と云ふ。
 かつて黄金水の霊より現れ出でたる十二個の玉のうち、十個までは邪神竹熊一派
のために、反間苦肉の策に乗ぜられ、竜宮城の神人が、その持玉を各自争奪された
る時、注意深き高杉別は、従者の杉高に命じ、その一個たる瑠璃光色の玉を、窃(ひそか)
にこの島の頂上なる岩石を打ち破り、深くこれを秘蔵せしめ、その上に標示の松を
植ゑ、杉高をして固くこれを守らしめつつあった
 しかるに天教山の爆発に際し、天空より光を放って十一個の美はしき光輝を発せる
宝玉、この瀬戸の海に落下し、あまたの海神は海底深くこれを探り求めて杉高に奉
り、今やこの一つ島には十二の宝玉が揃ふたのである。・・・・・




          狩野川


          湯本館
亀岡 高熊山

霊界物語 第三〇巻 附記

    湯ケ島温泉
 三伏の暑き夏の朝、河辺に立ちて水流を打見やれば心涼し。霧は未だ谷川の両岸
に立ち並ぶ種々の木立を霞ませて、朧なる向山の姿は、松や杉や楓雑木の青葉と
入り交はり、得も言はれぬ幻の様な色彩を浮べて谷から谷へと動いて行く。湯本館の
湯煙りは谷川の上を静かに渡って行く。
 猫児川と狩野川との出会った景勝の地点に一廓を作って居る天城山麓の温泉場
湯ケ島で、四週間を松村真澄氏、出口宇知丸と倶に霊界物語を口述筆記しながら過
したのは実に壮快であった。見上ぐる猫児峠の頂きは今朝日が射し初めた時で、大
空には紺碧の絵衣を拡げて五色の光彩を照し、天城連峰の大きなうねりの太陽を背に
してコバルト色に長く続いて居るのが楼上から見えて、川の瀬に激する水音と峠を吹
く風の音が耳につく。  ・・・・・