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     月見里神社(静岡県清水市)



綾部 本宮山

霊界物語 第三七巻 第二〇章 仁志東(一〇三二)
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 先生の母堂に豊子といふ方があって、余程霊感を得てゐられた。豊子さまは喜楽に向
ひ、
豊子「お前さまは丹波から来られたさうだが、本田さまが十年前の仰有つたのには、是
 から十年程先になったら、丹波からコレコレの男が来るだらう、神の道は丹波から
 開けると仰有つたから、キツとお前さまのことだらう、これも時節が来たのだ。就て
 は、本田さまから預つて置いた鎮魂の玉や天然笛があるから、之を上げませう。こ
 れを以てドシドシと布教をしなされ」
と二つの神器を箪笥の引出しから出して喜楽に与へ、且神伝秘書の巻物まで渡してくれ
られた。翌朝早うから之を開いて見ると、実に何とも云へぬ嬉しい感じがした。自分の
今迄の霊学上に関する疑問も、又一切の煩悶も拭ふが如く払拭されて了つた。
 午前九時頃から、長沢先生は再び自分を招かれた。
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        御穂神社(静岡県清水市)




         
亀岡 高熊山

霊界物語 第三七巻 第二〇章 仁志東(一〇三二)

・・・其結果一度審神者をして見ようと云ふことになり、喜楽は神主の席にすわり、先生は審神者となって幽斎式が始まった。其結果疑ふ方なき小松林命の御神憑といふことが明かになり、鎮魂帰神の二科高等得業を証すといふ免状迄渡して貰つた。喜楽は今迄数多の人々に発狂者だ、山子だ、狐つきだとけなされ、誰一人見わけてくれる者がなかった所を、斯の如く審神の結果、高等神憑と断定を下されたのであるから、此先生こそ世界にない、喜楽に対しては大なる力となるべき方だと打喜び、直ちに請ふて入門することとなったのである。要するに長沢先生の門人になったのは霊学を研究するといふよりは、自分の霊感を認めて貰つたのが嬉しかつたので入門したのであつた。
 夫れより先生に従ひ、三保の松原に渡り、三保神社に参拝して、羽衣の松を見た
り、又は天人の羽衣の破れ端だと称する、古代の織物が硝子瓶の中に納められてあ
るのを拝観したりし乍ら、一週間許り世話になって、二十二日の夜漸く穴太の自宅
に帰る事を得た。・・・