霊魂、心性、神界等を指したまうたのである。すべて宇宙は霊が本で、体が末となって
ゐる。身の方面、物質的現界の改造を断行されるのは国祖大国常立神であり、精神界、
神霊界の改造を断行したまふのは、豊国主神である。ゆゑに宇宙一切は霊界が
主であり、現界が従であるから、これを称して霊主体従といふのである。
 霊主体従の身魂を霊(ひ)の本の身魂といひ、体主霊従の身魂を自己愛智(ちしき)の身魂といふ。
霊主体従の身魂は、一切天地の律法に適ひたる行動を好んで遂行せむとし、常に天
下公共のために身心をささげ、犠牲的行動をもって本懐となし、至真、至善、至美、
至直の大精神を発揮する、救世の神業に奉仕する神や人の身魂である。体主霊従の身
魂は私利私慾にふけり、天地の神明を畏れず、体慾を重んじ、衣食住にのみ心を煩
はし、利によりて集まり、利によって散じ、その行動は常に正鵠を欠き、利己主義を
強調するのほか、一片の義務を弁へず、慈悲を知らず、心はあたかも豺狼のごと
き不善の神や人をいふのである。
 天の大神は、最初に天足彦、胞場姫のふたりを造りて、人体の祖となしたまひ、霊