霊界物語 第一巻 霊主体従 子の巻
      附  記 
       霊界物語について
                瑞月 出口王仁三郎

 霊界物語は総計壱百二十巻をもって完成する予定になってをります。しかしなが
ら是だけ浩瀚な著述を全部読了せなくては、神幽現の三界の経緯が判らないなどと思
ふのは間違ひの甚だしきものです。経を訓むには、冒頭の一篇を充分に玩味して腹
に畳み込めば、すべての精神が明瞭に解し得らるるものです。どんな人間といへども最
初の一瞥によって其の内容や心が読めるものです。刀剣は鯉口一寸の窓さへ開けて視
れば、その名刀たり鈍刀たることが判り、蛇は三寸ばかり見ればモウそれで全体の見当
がつくものである。詩経も最初の周南篇に自余の篇が包まれてあり、周南は「関々
たる雎鳩は河の洲にあり」の首語に包まれてゐることが判るやうに、本書もまた第一